育児休業を取得するのに理由を訊かれるのはいったいどうしてか?

こんにちは、tikoです。
今回は「育児休業取得の際に理由を訊かれるのはなぜか?」についてお話していきます。
わたしも一年の育児休業を申請するときに訊かれました。
なぜ、理由を説明しなければならないのか・・・?
・・・と、その前にひとつ、あなたのことを言い当ててみましょう。
あなたはわたしと同じ『男性』ですね?
どうでしょうか。なぜこんなことをするのかというと、育児休業で理由を訊かれるのは「ほぼ全員」が男性だからです。
会社の中には、育児休業の取得理由を書面で提出する場合もあるとか・・・
ちょっと考えてみませんか。
或いはもしかしたら、あなたはその理由をどのように書こうか悩んでこの記事にたどり着いたのかも知れません。
わたしの実体験をもとに、そういったときの書き方などもぜひ、参考にしていただければと思います。
なぜ育児休業を取得する際に理由を訊かれるのか
端的に答えを言うなら、
会社という組織のなかで、人員配置を考え直す重要性を測るため
です。
あくまでも冷徹に、経営者としての目線で見れば、時間と資本を投入して育て上げた従業員が、まとまった期間いなくなってしまうのは「損失」です。
ほんとうにその人がいなくなっても大丈夫なのか?
いなくなった期間、どうしたら組織が持続可能か?
組織にとって、休業を与えることでどれだけの先行投資となるか?
こういったことを考えなくてはならないのが経営判断です。
会社という組織を「従業員全員のために」存続させるには、全体最適のために個々の利害の優先順位を下げなくてはならない場面も当然あり、それが経営者の苦悩となりえます。
が、
それはあくまで経営者側の都合です。
さらに冷徹なことを言えば、組織をどのように運営するかは経営者の責任であり、個々の従業員にどれだけ過度な負担をかけずに、どれだけ大きく利益を伸ばせるかは経営者の手腕しだいなのです。
そんなものは理想だと誰が言おうとも、実際の現場は従業員の創意工夫によってまわっているものだとしても、
組織運営は経営判断
である以上は、従業員側が心を砕くような問題では断じてない。
これは相克する2つの考えであり、それぞれの場所、組織がこの2つのバランスをそれぞれが取りやすい位置で取ることで、成り立っている問題です。
そのため一概には言えないし、どんな立場でどんな意見を言っても必ず反対勢力が出てくる。
そういうテーマなのです。
こういったことを踏まえた上で、男性が育児休業を取得する際に理由を訊かれるのはやはり、
男性の育児休業を(あまり)重視していない
という考え方から、その制度がつくられているから。
すると、育児休業を取得するために「なぜか?」という付加情報が必要になるわけです。
病気などで休業する場合と同じく、こういった理由で家庭がたちゆかなくなるからです、と。
誤解をおそれずに言わせてもらえば、これは本来であれば分けて考えるべき、従業員のプライベートを経営の天秤にかけているのと同義です。
「有給休暇、ここでどうして取るんだよ?」
こういった質問をするのはプライバシー違反となるのと同じで、育児休業の理由を聞くことがどれだけプライベートに立ち入る行為であるのか、わかっていない。
「私事都合」「取りたいから取る」訊かなくとも、そういう認識でいいはずです。
※コミュニケーションとして、人と人として相手に敬意を払った上で会話をするのは、また微妙に異なるケースですよ。念の為。
理由を訊かれたらどう答えるのが良いのか
違和感は感じるでしょうが、いちばん良いのはなるべく正直に、育児休業を取ろうと思っている自分の気持を真摯に伝えることだと思います。
いまの状況や、以前の経験、これから予想されることなどを踏まえて、誠意を持って伝えること。
これで合意が得られるならそれが一番いいと思います。
わたしの場合は、妻が一人めの出産以降、様子が明らかにおかしくなったことや、家庭内の状況が悲惨の二文字であったことなどを、包み隠さずに上司に説明しました。
それでも、上司の上司と、上司の上司の上司からもういちど説明を要求されるくらいでしたが・・・笑
真っ赤なウソを言うことはおすすめできませんが、状況を少しくらい誇張して伝えても、それはあなたと、あなたの家族のために重要なことなのですから、大丈夫です。
たとえば、臨月を迎えた妻の様子をよく観察して、大変そうな様子とそばにいて力になってあげたい旨を説明する。
たとえば、小さいわが子がどうしても泣きやまないときに、途方に暮れてしまう感覚を説明する。
情に訴えかけて説明すれば、上司とて人の子ですから、心を動かすこともできるはずです。笑
ほかには、実際に家庭崩壊してしまった他の人のケースの話をもちだすとか。
でも・・・もしかしたら、だれかに心無い言葉を浴びせかけられることもあるかも知れません。
しかし、組織の問題はあくまで経営者が対処するものであり、あなたの両肩にのしかかるものではありません。
そして、育児休業は国が国民に法的に権利として認めたものですので、会社が取得を拒否することはできません(たとえ社内制度がなくとも、取得できる)。
なんのために男性として育児休業を取るのかを(パートナーと話し合って)考えて決めたのなら、それは誰に何をいわれるようなことでもありません。
あなたが、大切なものの順番を見据えて、そう決めたのですから。
その決断にわたしは敬意を払います。
変わりゆく時代と現状とのギャップ
残念ながら、まだまだこういった会社は多いでしょう。
しかしこれからは、どんどんそういった会社は少なくなっていきます。
いまはその過渡期で、人々の価値観が新しいフェーズに移り変わろうとしている初期段階なのです。
だから、日本の歴史上で今がいちばん、風当たりが強い時期とも言えるでしょう。笑
本来ならばこうした工夫は、経営側が当然に理解しているべきもので不要のはずなんですけどね・・
楽しい記事としてまとめることができず、力不足を感じますが、以上です。
ここまで書いていて感じた物寂しさが、早く過去のものとなるよう祈るばかりです。
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