男性の育児休業の開始日は「いつから」と明言できないんです

こんにちは、tikoです。

この記事では、私の実際の経験をもとに、男性が育児休業を取得する中で感じた不都合を書いていきたいと思います。

まだまだ全体の1割にも満たない、男性の育児休業取得率。

取得期間も、その大半が1週間未満という数字です。制度内容自体は、世界的に評価されているにも関わらず、です。

その原因は、職場の人手不足や、育児休業を申請しにくいという雰囲気の問題があるそうです。

これらは実際に働いていた身として非常によく分かるのですが、実際に取得するに至るまでの流れを経験した中で、それだけではないと思えるような、具体的な制度上の不都合がありました。

その内容と感じたことなどを、シェアさせていただければと思います。

男性には産前産後休業制度がない

なんといってもこれです。

女性には産前産後の休業制度、いわゆる産休があるのですが、男性にはありません。

産休は出産予定日の6週間前から取得する権利が発生するのに対し、男性が育児休業を取得する権利が発生するのは出生後。

帝王切開などを行わない自然分娩の場合は、出産日が確定しません(予定日はあくまで予定)ので、自然、育児休業に入る日程も確定することができません。

そのため、引き継ぎは行うのですが、早まるか遅くなるかが全くわからない中、中途半端な引き継ぎをするわけにもいかないため、自分の中で線引をして、予定日よりも早めにひとまず引き継ぎを完了させておかなくてはなりません。

正産期(臨月)以降は、近所に頼れる祖父母がいない方の場合は、奥さんが破水してしまった場合に備えて、電話一本で駆けつけられる状態にしておく必要があるからです。

私の場合ですが、予定日の2週間前を自分の中での締切として、自分の持っている仕事に区切りをつけていきました。

ところが実際の出産は予定日よりも1週間後だったので、3週間分、新規案件に携わるわけにもいかず、仕事にも十分に集中ができない期間が発生してしまったのです。

仕方がないので、その日で完結するような内容を刹那的にこなしつつ、また、いつ呼ばれても大丈夫なようにいつも以上に逐一の報告をしたり、同僚と共同での仕事を行っていました。

この期間中は、いつ産まれるかが見えない中で、社内の同僚や関係部署、取引先に「いつまで居て、いつから居ない」という話を正確にすることができませんでしたし、

私が中途半端に手をつけて、引き継ぎ無しで居なくなってしまうことが却ってより手間になってしまうという事情から、仕事を選ぶのにもこなすのにもかなり気を遣いました。

この辺りはその人ごとの仕事の性質や、仕事に対する姿勢などにも依るかと思いますが、シンプルに非常にやりにくかったなぁというのが正直な感想です。

私自身、仕事の取扱いにもどかしさを感じましたし、周りから見て(特に上司は)とても扱いにくかっただろうなと思います。引き継ぎを完了した案件であっても、横で3週間見ていることになりましたし・・笑

事前にいろいろと調べた限りでは、こうした実情はあまり見えませんでした。

産前休業は男性であっても必要だと感じる

実際に育児休業を取得してみて、男性であっても、産前の休業があったら非常にありがたいのではと感じます。

せめて予定日の1ヶ月程度前の時点から、育児休業取得の権利発生がされるようにした方が、仕事上および家庭上の予定が立てやすくなり、双方にとって予定が立てやすく、スムーズに引き継ぎができるのではないかと思いました。

帝王切開などを行う場合であっても、早まってしまうことも十分にあり得ますし、37週以前でも破水してしまうこともあります。実際に私の知り合いにも居ました。

そういったリスクをバックアップできる制度として、現状の法規はあまり十分であるとは言えないな、と思います。これでは取得する方も送り出す方も気持ちよく切り替えができず、結果として制度利用を躊躇する要因となってしまいます。

海外では、父親の産前休業が認められている国もあるそうですね。まだまだ現状の日本では、そんなことは実現しそうにありませんが。

会社によっては、社内制度により早めに特別休業をもらえたり、年次有給休暇と組み合わせたり、回避・工夫のしようがあるかと思いますので、まずは制度をよく調べた上で、上司との綿密な相談が必須であると思います。

私もそうでしたが、男性の育児休業の際の手続きなんて、まず上司は経験が無いんですよね。それどころか業務、人事部ですら回答に時間がかかりました。

取得率自体がかなり少ないので、まあ無理もないことかも知れませんが・・

あなたの周りの方が育児休業を取得しようとしているなら、是非この「瀬戸際の問題」を認識されているかどうかを、ちょっと聞いてみて下さいね。

事前に知ることで、抱えなくても良くなる心配、苦労があるかも分かりませんので・・

育児休業は法的に認められた権利です

私は、日本の現状の男性育児休業の実態が、完全に過去のものとなる日が必ず来ると考えています。

誰もが疑問に感じていながらも、なかなか声を大にして言わない今の状態がいかに奇妙なものであるか。

言わない気持ちも、言えない気持ちも、痛いほどによくわかりますが、あなたが大切にしたい人のことをよく考えて、周りの方とよく相談した上で、あなた自身が後悔のないように決めてくださいね。

そのために必要な情報は、私からはこれからも惜しみなく提供していくつもりです。