過去の決断にいつも「後悔」してしまうアナタへ

いつも、過去の自分の決断に対して、「後悔」してしまう・・・
また、そう感じることが「多すぎる」・・・
そのように感じたことはありませんか?
自分はなぜ、こんなに後悔してばかりなんだろうか・・・
こんにちは、tikoです。
今回は、不思議にも常に「後悔」してしまうあなたに、心理学的な見地からひとつの考え方をご提示できればと思います。
あえて最初に、ちょっと衝撃的な結論を書いておくと・・・
【人間心理は、何かの決断に対して、「必ず後悔する」ようにできている】
のです。
ちょっと信じられないですよね。
しかし、この理由をひもといていくことで、あなたが何故かいつも後悔してしまう、そのメカニズムを理解できるだけでなく、
自然とそう思いがちな人間心理をうまく活用することで、マーケティングやブランド演出のための強力な武器にすることも可能になります。
それでは説明していきますね。
価値が手に入るとき、失うときの心の動き方
まずは、ごくカンタンな仮定で、ぜひあなたにも「自分なら?」と考えてみて欲しいのですが、
①100円手に入る
②200円手に入る
上記の2択であれば、あなたならどちらを選びますか?
是非、深読みせずに素直に考えてみてくださいね。
・・・考えるまでもありませんよね。
答えは当然②、金額が大きいほうで、これは誰に聞いたってほぼほぼ間違いないものです。
では次にいってみましょう。
①100万円手に入る
②100万100円手に入る
上記の2択であれば、あなたならどちらを選びますか?
いかがでしょうか?
これも素直に考えれば、②を選ぶ方が多いはずです。
でも、ここまでを踏まえて、何か気が付きませんか?
今度の2択は、先ほどの2択に比べると、差がかぎりなく小さいように感じないでしょうか。
「当たり前だろう」と思われた方もいるかも知れません。
でもちょっと、フラットに考えてみてください。
選択肢どうしの金額の差は全く同じ、100円です。
にも関わらず、ふたつの選択肢の距離が、ぐっと縮まったような気がしませんか。
ここではわかりやすくお金そのものを使って説明しましたが、
実は、人間心理は
「価値が高くなればなるほど、その通りに価値を感じ取りにくくなる」
という習性があるのです。
ちなみにこの考え方を「プロスペクト理論」といいます。
つまり上の例で行くところの「金額」が高くなればなるほど、同じ金額の差でもその差を感じにくくなるということ。
1億円と1億100円・・・ほとんど誤差ですよね?
しかし、最初の設問ではそう思っている方はいません。
人間は機械ではないので、図面に書いたグラフのように、価値に対して直線的な挙動をするわけではないのです。
そして、ここからが今回の話の核心にせまってくるのですが・・・
この価値の感じ方。
マイナス方面では、どんなふうに人間心理に働くと思いますか?
上の例でいくと、手に入るのではなく、
失う
と考えてみたとき、人はどのように感じるのか。
(1)100円失うか、200円失うか?
(2)100万円失うか、100万100円失うか?
これも同じ100円の差なのですが、(1)のあとに(2)を考えてみると、やはりダメージ的にはもうほぼ「誤差」のように感じてしまうわけです。
心の価値の感じ方は直線ではない
これらを総合すると、人間の価値の「感度」は、横軸を金額、縦軸を感じ方とすると、
0点を中心として、ゆるやかにS字を描く曲線のグラフ
ということになります。
そして、さらに数学的にはいかないのが人間心理の面白く、深いところです。
マイナス方面では、この傾きが大きくなるのです。
つまり、人は同じ程度の価値を得るのと失うのとでは、失うときのほうを大きく評価してしまう傾向があるということ。
朝に1000円拾ったあと、昼に同じだけの1000円無くしたとすると、トータルで差し引きは0のはずなのに、
「あの1000円があればいろいろなことができたのに・・・!」
と、なぜか全体の評価はマイナス側が優勢になる傾向があります。
金額だけで言えば、気分はリセットされてもいいはずなのに、そうは思えないのが人間心理です。
これを冒頭の「過去の決断の話」に繋げてみましょう。
なぜかいつも後悔してしまう・・・という話です。
決断というのは多くの場合、様々な要因が交錯する、悩ましい選択によってあなたを責め立てます。
それが不可逆のものであればなおさら、です。
あなたの心の中の天秤は、ほぼほぼ同等なだけの価値の重みを持った、2つの選択肢の間で揺れ動くわけです。
それでも決断というものが、選択肢Aを選び取ることで、選択肢Bを失ってしまう、ということならば・・・・
あなたはひとつの決断で、ある価値を受け取っているのと同時に、ほぼ同じだけの価値を失っているとも言えます。
そしてその時・・・
差し引き0、と割り切ることができないのが、人間心理なのです。
つまり、
【人間心理は、何かの決断に対して、「必ず後悔する」ようにできている】
というわけですね。
だから、もしあなたが後悔したとしてもそれは「自然なこと」なのです。
そのことをぜひ、心の片隅に留めておいてくださいね。
そして最後に・・・
決断をしなかった場合の後悔や、行動できなかった後悔というのは、上で言う「決断の結果の後悔」よりもさらに強烈に人を蝕みます。
ひとが自らの生涯を閉じる時に抱くといわれる、もっとも強い後悔とは・・・
決断した結果の後悔ではないのです。
なにかを決める=なにかを選び取るときに、「少しでもいい結果をつくろう」と前を向く心の姿勢はとても尊いものだと、わたしは思います。
だからこそ、絶対に変えることのできない過去の事実に対しても、後悔という形で
「あのとき、ああすればよかったのではないか・・」
とまで思うのです。
それはあなたが真摯であることの証。
悩み抜いた末に下した決断であれば、それがどんなものでもわたしはあなたを尊敬します。
ぜひ、自分を責めたり、思いつめすぎたりすることのないよう、
その瞬間にできる決断を、勇気を持ってしていきましょうね。
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