【五感に訴えかけるライティング】第二回:自分にしか見えない世界

こんにちは、tikoです。
「五感に訴えかけるライティング」第二回です。
今回は、ゲームのように自分の感覚をタイプで分類する方法についてお話していきます。
前回はすべてのことにも通じる根本的な内容にもなっていたため、
ちょっと抽象的だなと感じられた方もいるかも知れません。
そこで、今回はより身体的な感覚でイメージがしやすく、理解も手っ取り早く深められる方法についてご紹介していきます。
ワクワクしながら、どんどんライティングの感覚をインストールしていって下さいね。
ステップ2:自分の「最優位感覚」を意識する
この感覚分類は、ゲームのように親しみやすく、かつ実感もしやすいのが特徴です。
その方法とは、
自分にとって五感のどの感覚が最も優位であるか
というタイプ分類によって、自分を客観視することです。
五感というのは、御存知の通り、
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚
の5つになりますよね。
このうちどれが優位に働いているかは、その人それぞれによって全く異なります。
生まれつき感覚が鋭かったり、鈍かったりする場合もあるし、普段の生活習慣や、仕事によっても変わってきます。
特に、目が良ければ、耳が良ければ・・・たとえば生物として優秀である、とかそういったことを論じたいわけではありません。
これは本当に人によって千差万別で、オリジナルのチューニングがあるよ、という話です。
たとえばリンゴひとつ見るのにしたって、
光の当たり方や色ツヤ、手にとったときの重みや固さ、かぶりついて鼻に抜ける香り、歯ごたえ、蜜の甘み、果汁の喉越しなど、5感に訴えかけてくる色々な要因がありますよね。
この受け取り方ひとつとっても、どれを一番先に感じるか、どれを一番強く感じるかなんて人それぞれなわけです。
同じなわけがない。
どれを大切にしているかで、自ずとどれに対して感覚が鋭くなっているかが変わるのです。
たとえばわたしの場合ですが、妻がまったく気が付かない機械の動作音にいち早く気がついたりしますし、
逆にわたしが気が付かないお茶の香りの変化を、妻はいとも簡単に見つけ出してしまったりします。
このように、いつも一緒にいる人が、「すごいね」と言ってくれるような感覚の違いは、そのまま自分の優位な感覚になりますし、
それは純粋に価値観の違いとしても現れます。
自分の反応を振り返ってみると、無意識に自分が重要視している感覚があり、それが最優位となります。
まずはそこに注目してみて下さい。
感覚というのはわたしたちが生きていくために備えている、基本的な能力のひとつですが、
これには個人ごとに差があることを認識し、自分を見つけるための手がかりとするのが吉です。
心が情報を受け取るためにはこの感覚器を通して、外界の情報を受け取るところが第一歩となりますので
この感じ方が日常的に違っているなら、心のありようもひとつひとつ変わってくる・・・
そう考えるのが自然だとは思いませんか?
当たり前としてあなたに寄り添ってきた機能ですが、よーく観察するとそこに「あなた自身」が表れているんです。
深く感謝して、耳を澄ませてみてくださいね。
あなたにはあなたにしか見えない世界が見えている
もっと慣れてきたら、今度は次に優位な感覚を調べてもいいし、もっとも苦手なものを知るのも一つです。
自分の5感の鋭鈍を、レーダーチャート式にして図式化しても面白いですね。
しかし、これはあくまで感覚がどんな風にはたらくのかを知り、自分というものを知るために行うものです。
どれどれが弱いから鍛えよう・・・という使い方をするのではなく、
こう感じやすいから、得意分野はこれで、苦手なのはこういったことで・・・という捉え方をします。
ここからが今回のお話のキモとなってくる部分ですが、
感覚の違いはつまり、視点の違いであり、これが価値を生み出す源泉なのです。
同じものからどんなことを得て、どんな風に解釈して、どんな風に発信するか。
「そんなこと思ってもみなかったな」という情報が、「面白さ」という曖昧なものを感じる要因なのです。
色々な捉え方がありますが、
単純に感覚が鈍い人から見た、鋭い人の意見は新鮮で面白いですよね。
まるで別世界を覗いているかのような感覚になれます。
逆も言えます。自分と違った視点を持つ人の話は面白い。
また、自分とは別の感覚でものごとを捉えているというのも不思議です。
こういうのもあります。今までは見えていなかったけど、意識することで見えるようになった、とか。
目をつぶってみたら、こんな新しい発見があった、とか。
極端な例で行くと、目の見えない方が見ている世界は、見えている人とはかけ離れて遠いものです。
耳の聞こえない方と、そうでない方もしかり。
犬と人間の見えている世界も、(その嗅覚の違いにより)おそらく全く違ったものであることでしょう。
あなた固有の感覚の備わり方によって、あなただけにしか表現できない世界というものはすでに、目の前に存在しています。
受け取った情報をどのように解釈して、どう発信するかはまた次のステップになるのですが、
情報を受け取ったその時点から、既に個々には差があり、
それがオリジナリティのあるライティングの出発点となるものです。
自分の優位な感覚を見つけ、そこに注目してみてくださいね。
面白いほどに自分が何者であるか、理解が深まるはずです。
次回は、優位な感覚をもとに、どのようにライティングに繋げるか、というお話をしていきます。
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