「ロマンチストの豚」たれ。身悶えしながら切なく眠る、そんな豚に。

こんにちは、tikoです。

今回の一杯は、理想と現実のはざまを乗り越えんとする、豚さんのお話です。

今年の干支は猪ですから、ややパワーハンドルですが豚さんの話をしてもいいのではないかと思い、この記事を書きました。笑

ネットビジネス初心者のあなたにぜひ、このお話を読み、考えてみて頂きたいと思います。

作詞家としての顔を持つアンパンマンの故・やなせたかしさん

ロマンチストの豚」という曲をあなたはご存知でしょうか?

作曲:木下牧子、作詞:やなせたかし。これを聞いてピンと来られたあなたは、恐らく子育て世代でしょうか。かの有名な「アンパンマン」の生みの親、やなせたかしさんの作詞された歌詞の曲なのです。

私も小さな娘の親であるため、アンパンマンの存在の大きさは日々身をもって知る通りであります。ですがアンパンマンであまりにも有名なやなせさんは、作詞家としての顔も持っていたのです。

主に、アンパンマン関連の曲の作詞を手がけられていますが、他に有名なやなせさんの作詞曲は、「手のひらを太陽に」です。私も最初これを知った時、とても意外な気持ちでした。

でも、よくよく考えてみると、そこはかとなく「やなせ節」が感じられるような気がしませんか?

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ

アンパンマンの曲もそうですが(もっというと根底に流れるストーリー性なども)、やなせワールドは子供でもわかるやさしい言葉に、深いメッセージ性をも感じ取ることのできる懐の深さをたたえています。

さて、ここで冒頭の「ロマンチストの豚」です。私がこの曲に出会ったのは、ひょんなことから家族で聴くことになった小さなクラシック・コンサートです。

ピアニスト一人、ソプラノ・シンガー一人の、小さなコンサート。

偶然により出会ったこのコンサートでしたが、2歳の娘も大満足の、非常に面白いパフォーマンスでした。同じパフォーマーとして、観客を魅了するムードの出し方、表現技法、そして何よりライブの迫力を再確認し、やっぱり一期一会のパフォーマンスって素晴らしいなぁ、と。

娘は特に、メロディも歌詞も可愛らしいこの「ロマンチストの豚」が特にお気に入りで、自分で歌ったりもしています。

メロディはぜひ検索して聞いてみて頂きたいのですが、歌詞はこんな感じです。

ロマンチストの豚がいた
こころはやさしく おしりはまるく
ほそいひとみを まばたいて
いつもはなを ならしていた
ロマンチストの豚 ロマンチストの豚
夢みる夜のあこがれに
みもだえしながら せつなくねむる

ロマンチストの豚がいた
暮らしはひどくて 希望もないが
しかしほほえみ わすれずに
いつも歌を うたっていた
ロマンチストの豚 ロマンチストの豚
夢みる夜のあこがれに
みもだえしながら せつなくねむる

ロマンチストの豚がいた
ある晩背中に 翼がはえた
白い翼を はばたいて
豚は空へ飛んでいった
ロマンチストの豚 ロマンチストの豚
ロマンチストの豚からは
それっきりなんのたよりもない

いかがでしょうか。

楽しげな中に切なさをも感じ取れるのは、かの人気キャラクター、ロールパンナちゃんを想起させますね。やなせたかしさんの十八番の表現、といった印象です。

対立構造。揺れ動く心。相反する2つのものの同居・・・人は不完全なものに魅力を感じてしまう生き物です。アンパンマンとばいきんまんの配役もそうですが、こういった視点を持ってアンパンマンを見ると、子供番組ながらどうして大人をも魅了し続けるコンテンツとなっているのか、その真髄を垣間見ることができます。

ちなみに、やなせたかしさんがアンパンマンをヒットさせたのは還暦を過ぎてからだということをご存知でしょうか?ビジネスマンとしては、カーネル・サンダースばりの大器晩成型だったのです。

・・・と、こういったことを話し始めると大幅に路線がずれていってしまうため、話をもとに戻しましょう。豚の話です。

ロマンチストの豚は空を飛ぶ夢を見るか?

1番と2番で現実を、3番でそこからの飛翔を歌うこの詞、いわゆるシンデレラ・ストーリーなのですが、この豚さんの心はまさに、ひたすら気高いステージにあり続けたと言えます。

豚と聞いて私達がまずイメージするのは、家畜でしょうね。野ブタというのもあんまりイメージがしにくいですし・・・暮らしは酷くて、希望もない。家畜という身分を考えれば、最終的に待っている運命が何なのか、推して知るべきところです。

身悶えしながら切なく眠る、というのもなんとも、可愛らしさの中に切実さを感じさせますね。

しかし、最終的には翼を得て、夜空に飛んでいってしまうのが、この歌詞のラストなのです。彼はロマンチストであり、夢を見続けていた。そして、微笑みを忘れずに歌を歌っていたというのは、まわりからの圧力に屈せずに、ただ孤独に戦い続けるネットビジネスの初心者の姿を見ずにはいられません。

もちろん、夢を見るだけでは現実は変えられません。生々しい現実的な戦術、愚直な行動が必要なことは確かです。しかし夢を見ないことには何も始まらないし、人を魅せていくためには夢を語る必要があることもまた、確かなのです。

いまこの瞬間、ネットで輝く数々の先行者たち。彼らにもすべて、この豚のような時期が必ず存在し、逆境にあえいでいたタイミングが必ずあるのです。そう考えることで、今の苦しみもタフに、喜劇的に捉えられるのではないかと。

飛べない豚は、ただの豚ですからね。大空を自由に舞う、飛べる豚になるためには、まずはロマンチストな豚になりましょう、ということです。

明るく楽しく、微笑みを絶やさずに。苦しみすらも、超えてしまえばそれは話のタネなのですから。