落合陽一「超AI時代の生存戦略」感想。ロボットに仕事を奪われる、なんて本気で心配してるの?

こんにちは、tikoです。
この度、落合陽一さんの著書「超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト」を読みました。
かなり有名な方で人気も高く、間違いなく現在の日本のトップ・シーンに立っている人物の一人でしょう。
マーケティングの観点上、人気を集めるものに触れてその要素を理解すること、自分なりに解釈することはとても大切です。
話題の引き出しにもしやすいですしね。
読んでみた感想は、大学教授ということで研究を生業とされている方だけあり、とても学術的で緻密な文章を書かれる方だと感じました。
コラムとして寄稿していたものを集め、加筆修正したということで本人いわく「読みやすい」ということですが、論文に慣れ親しんでいる方でないとこの感想は出ないでしょうね・・笑
これだけ難解な文章を書かれる方が世間で注目を集めているという点はとても興味深いですが、読む人を選ぶ内容だったようにも思います。
シンギュラリティとは何か?
そもそもタイトルにもなっている「シンギュラリティ」という聞き慣れない言葉。
意味は、コンピューターの知能が人間の知能を上回る、時間的地点のことを指します。
テクノロジーの進歩は日進月歩であり「日々進化するコンピュータによって、人間の仕事がなくなる!」という悲観的な予想が噴出し、警鐘が鳴らされているのは現在もときどき目にします。
タイトルにもある通り、これにどう対応していくかがこの本のテーマです。
テクノフォビア(テクノロジー恐怖症)が煽るこの事態は、センセーショナルなコピーと共に世間に蔓延し、漠然とした恐怖感を人々に与え続けています。
その背景にある図式は「コンピュータVS人間」であり、それに怯えてしまうようだとそもそもコンピュータというものへの恐れがある、アナログ世代か、SF映画の見過ぎか、ひたすらに情報リテラシーが低いとしか言いようがありません。
そういう意味では、本当の対立構造は「計算機(コンピュータ)親和性を高め順応していく人間と、コンピュータ以外の領域でのニッチな領域を作りそれを守る人間」との分析であったり、シンギュラリティをただただ恐れ叫びまわる現状を前世紀の終末論に例えたりする点、筆者とは完全に同意見です。
コンピュータやネットを駆使して、何を為していこうとするか。何を実現するのかが私達のテーマであり、手段にあたるコンピュータを恐れてしまうことはまさにお門違いです。
新しいテクノロジーは貪欲に「これを使って何ができるようになるのか?」と考え、好意的に吸収していくことが望ましい。
また、シンギュラリティ対策として頻繁に言われる「クリエイティブさ」に対して、かなり色々な具体策を挙げていることも良いなと思いました。
結論・クリエイティブたれ。・・・というのも、少々乱暴ですからね。
基本的に、悲観的な見方を最初にすることを、私はあまり良いことだとは思いません。
もちろん、シビアにビジネスを進めていく上で、リスクヘッジのために悪い方向の予測をしておくことは必要なことではあります。
でも、それだけだとワクワクしにくいじゃないですか。
この本の表現を借りるなら「プラスの方向にエモいこと」を考えていくことが、私達にはとても重要であり、濃いファンを作ったり、自己実現をするために大事なことですからね。
私達は個人で大人の遊びでもあるビジネスを進めていくわけですから、楽しめなくては本末転倒なのです!
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