千利休ーーマーケティングの力で、天下人と肩を並べた男

こんにちは、tikoです。
今回は千利休についてお話していきたいと思います。
千利休といえば、侘び寂びの理論を打ち立てた戦国時代の茶人ですが、時の天下人豊臣秀吉とすら対等な関係にあったと言われるほど、ビジネス的に成功を収めた人物でもあります。
彼が成し遂げたのはまさに当時の価値観のコペルニクス的展開(大どんでん返し)であり、それを完成させるための審美眼と、実現するための技量を併せ持っていたということです。しかし彼は自分のあまりにも研ぎ澄まされた美への信仰によって秀吉の怒りを買い、最後には処刑されてしまうのです。
およそ500年もの昔に想いを馳せながら、現在の情報発信において学ぶべき場面をすくい上げてゆきます。
利休にたずねよ
彼の人生を知るには、直木賞の受賞作でもある山本兼一さんの時代小説「利休にたずねよ」が、非常にドラマチックで面白い題材です。
時間軸をさかのぼっていく一風変わった構成もまた巧みで、登場人物もみなキャラクターが立っています。
そのなかでも利休は凄まじい美意識とカリスマ性を持ち、たった一人で全く新しい価値観に基づいた「新・茶の湯」の世界観を構築してしまいます。
それまでの華美な価値観とは全く異なる、侘び・寂びの風情。そして利休はお茶を楽しむことを、部屋に入ってから出るまでをも体験価値として盛り込んだ、高度な総合芸術にまで昇華・発展させます。
この全く新しい世界は人々の熱烈な支持を受け、あの織田信長をも唸らせたといいます。
彼に言わせれば、「1畳あれば宇宙をも表現できる」とのこと。利休がいかに自分の世界に確固たる自信をもっていたかが伺える一言です。
利休の行った市場の創出はマーケティングだ
お茶そのものを楽しむということを根底に、部屋のしつらえ、インテリア、茶の点て方や佇まいなどにも意識を染み渡らせたこの考え方が、当時の人々にとってどれだけ斬新なものであったか。
きっと特大のセンセーションだったのではないかと想像します。新しくカッコよくて、お洒落で粋。評判が信長の耳に届くほどですからね。
千利休が現代日本に現れたとしても、きっとその類まれな能力を存分に開花させて、抜本的に新しいブログを構築できるでしょう。
誰もが普遍的に価値を感じる「美」を、目に見える形にして魅力的に演出し、提供できたわけですからね。言い換えればこれはマーケティングであり、マーケティングに必要なのは彼のそなえていたような審美眼です。
彼は雰囲気や体験の持つ力を理解していました。現状の問題点を可視化し、新しい市場をつくったのです。これをビジネスセンスと言わずなんと言いましょうか。
私達も自分の流派を持つ茶人として、ひたすらに自分の世界、自分の信じる美を突き詰めていくことで感情的価値を高めていきましょう。
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