「ミッフィーとマティスさん」切り絵のシンプルさに研ぎ澄まされた情熱。

こんにちは、tikoです。
この記事では「ミッフィーとマティスさん」を読んでの感想を書いていきます。
「こどもと絵で話そう」シリーズ3部作、1つ目はピカソの親友でもあるフランスの巨匠アンリ・マティスです。
ミッフィーの作者であるディック・ブルーナも大きく影響を受けた画家の一人で、常に新しい表現を求め、時代の先端を走り続けたアーティストです。
抽象的作品を読み取る力は大人も子どももそれぞれ
極限までシンプルなその画風は、そのままミッフィーの世界観を言い表した言葉にもなっていますね。
この絵本のいいところは、ひとつひとつの絵を見ながら、ミッフィーが見たままの感想を、お父さんが解説をしていく形式が取られており、子どもにとっても親しみやすい内容になっている点です。
そのため、絵本に収録されている前衛よりの作品たちも、より純粋に楽しめるのです。
大人がいっけん難しく考えがちな名画は、子どもの目にどんな風に映るのか。
ミッフィーと一緒に、親子で話し合うのもとても楽しげな時間になるでしょう。
時代背景や歴史を知ることで、楽しみ方に奥行きが出てくるのはストーリーの持つ力ですが、
子どもの「見たままを一生懸命に表現する」ことも、情報発信において真摯に発言することの力強さを教えてくれます。
70を過ぎてなお尽きることのない表現への意欲
「ミッフィーとマティスさん」には、彼が70歳を過ぎてから病床で生み出したカット・アウト(切り絵、コラージュ手法)作品が多数収録されています。
腹部のがんで闘病中、絵筆やのみを持って長時間座って作業をすることができなくなったこともあり、はさみで絵を書く手法に移ったわけですね。
70歳を越えてなお意欲的に創作活動を行っているという点は、浮世絵師の葛飾北斎や絵本作家のエリック・カール、ポップアーティストのデヴィッド・ホックニーなどにも共通していますが、
彼らの姿勢や情熱は、私達に老いない心とはなんたるかを、背中で魅せ続けてくれています。
特にこのカット・アウト作品を集めた「ジャズ」という画集タイトルは、当時、戦争から立ち直りつつあるパリで学生を中心として流行りはじめていた、あたらしい音楽のジャンル。
高齢のマティスが、50以上も年の離れた学生たちの文化からもインスピレーションを得て、柔軟に自分の作品コンセプトに取り入れていったことがよくわかるポイントになっています。
なにかを表現するために、年齢が問題になることはありません。
それはネット上でも同じことで、すべての情報がネットに集まりつつある今だからこそ、すべての垣根を超えて、全員が自分らしく自由に振る舞うことができるのです。
そして、表現活動がそのままビジネスとなっていく時代がやってきます。
そのために仲間を集め、自分の腕を私と磨いていきませんか?
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