「ミッフィーとほくさいさん」70年、ただ大好きな絵を書き続けた、世界一有名な日本人の話。

こんにちは、tikoです。
今回はブックレビューです。ミッフィーが古典絵画を見てお父さんと語り合うシリーズ、「ミッフィーとほくさいさん」。
ほくさいさんというのは、日本人ならおなじみ、葛飾北斎です。
漫画絵の書き方を解説した「北斎漫画」、36の土地土地の富士の威容をえがいた「富嶽三十六景」が、なんといっても有名ですね。
世界で一番有名な日本人とも言われる北斎は、かのモネやゴッホにも多大なる影響を与えました。
もはや世界中に、時空を超えて影響を与え続けているといっても過言ではありません。
そして、もちろんディック・ブルーナにも・・・
ミッフィーがほくさいさんの絵と出会うとき、そこにはどんな化学反応が起きるのか?
子供と一緒にワクワクしながら楽しめる、すてきな絵本です。(お父さんと、というのが実にいいですね 笑)
毎日創作創作創作・・・北斎の生涯
北斎は90歳という、平均寿命40年と言われた時代にあってかなりの長期間存命していた画家ですが、注目すべきはその多作さです。
現存する北斎の絵画はなんと3万点以上で、1日に3作を仕上げることもあったのだとか。
そして、19歳から90歳までの実に70年以上もの間、その創作意欲は尽きることを知らなかった。
つまり、1年で430作以上。一日に1枚は、必ず仕上げていた計算になります。
じつに驚くべきことです。
そして、死の間際にあってなお「あと5年もあれば、私は本当の絵描きになることができる』と言い残し、この世を去ったそうです。
彼の姿勢には実に学ぶべきところが多くある、と思いませんか。
他の逸話として、なんと北斎は、絵の技術の上達のためだけに、人間の骨格を知るため当時の柔道整復師のもとに弟子入りして、解剖学や医学も納めてしまったそうです。
彼には情熱だけがあった。絵を書くことしか、考えていなかった。
その姿勢は、没後250年以上経った今でも、私達に勇気を与え続けてくれています。
「神奈川沖浪裏」の衝撃
かの有名な「神奈川沖浪裏」を見たミッフィーの反応はこうです。
「ざっぷーん!このなみ おやまにむかって さけんでる」
なかなか詩的な表現ですね。
それぞれの北斎の絵が子供の目にどんなふうに移り、どんな言葉で表現してくれるかを聞くのは、わたしにとって格別の楽しみです。
わたし自身がこの絵と初めて出会ったのは、小学校3年生の頃だったと記憶しています。
道徳か国語の時間かなにかで、絵を見ながら皆で気づいたことを述べ、解説を聞いたことをおぼえています。
大きな獣のように、今にも打ち下ろしそうな波。
船の上で身を寄せ合ってうずくまり、祈るような姿勢で目をつぶっている船員。
子供心ながらに、おそろしい構図だと思ったものです。
同じものを見て、それぞれに異なる解釈をし、表現する。
ものめずらしい体験を持たなくても、情報発信のヒントはこういったところにも転がっています。
特に子どもの表現はおもしろい。
ぜひ読みながら、どうしてそう思ったのか?まで、親子でいっしょに考えてみて下さいね。
そして、情報発信者としての彼の影響力は、ネットというもののない時代にあって、現在とは比べ物にならないほど航行技術も不確かな世界で、鎖国すらも乗り越えて、地球全体に行き渡っています。
ほんとうに、ほんとうに、恐るべきことです。
彼のように尽きることのない表現への情熱をもってすれば、今のネット社会で成功をつかむことは容易でしょう。
そして、今やその権利は誰にでも等しく存在しています。
少しでも、彼のように、好きでたまらないことに、ひたすら打ち込めるようになるために。
そのための具体的な方法について、私も彼のように情報発信をし続けます。
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