男性性と女性性について、読み方からビジネスにおける考え方までを丁寧に

16/01/2019

こんにちは、tikoです。

今回はちょっと抽象的なお話、男性性と女性性についてです。

これらのワードについては聞いたことがおありでしょうか。「だんせいせい」と「じょせいせい」と読みます。

もしも聞いたことがなくとも、この記事を読んでから知って下されば良いですし、概念自体はきっとあなたの中にももともと存在しているものであって、読み進めるうちにこれらが何なのかは肌感覚で理解できてくるはずです。

これらを学んでいくことでマーケティングの一助にもなりますし、自分のブランディングの助けにもなる、人間の社会的側面に深く関係しているキー・ワードです。

ぜひ、しっかりと理解してこの概念を使いこなしてください。

男性性と女性性ってどういうもの?

男性性と女性性は感覚に負う部分が大きいため、その輪郭に個人差があります。

主観と客観での捉え方に差があるため、これという決まった定義は存在しません。そして、男性女性と書きますが、これらを話題とする多くの場合は、単なる生物学的、物理的な話ではありません。

性別のない生物にも、機械にもいえますし、もっと言えば行動や文章などといったものを対象として「男性性の強い行動だ」とか「この文章は女性性が豊かである」といった表現をすることさえ普通にあります。

男性性と女性性というとピンと来ないかもしれませんが、では「男らしさ」「女らしさ」と聞くとどうでしょうか?

特定の行動や文章を指して、男らしい、女らしいと言うことは普通にありますよね。これを男性性、女性性と言い換えても、使い方としては全く問題ないのです。この二つは男らしさ、女らしさの適用範囲をより広くした用語なのですから。

では具体的にはどのようなものを指すのかというと、例えば以下のようなものになります。

【男性性】硬い、角ばっている、上昇志向、論理的、リーダーシップ、積極性

【女性性】柔らかい、丸っこい、バランス、感情的、ハーモニー、柔軟性

こうやって比較するとわかりやすいですね。

驚くべきことに、よくトイレの表示として使われる赤と青のマークは、言語圏に関係なくほぼ全世界的に共通のマークです。そして、まだ言葉を解さない小さな幼児でさえも、このマークの意味を本能的に理解します。

これの意味するところとしては、男性性と女性性というのは、人間であれば誰でも生まれながらにして標準装備している感覚であるということ。

ただし、人間社会で生きていくうちに自然と身についた、身の回りの社会通念によって形成された部分もあります。そして、誰にでもあるということは当然ながら、あなたの中にも男性性と女性性、両方の要素があります。

自分の内と外を、この二つのキーワードを持った視点で色々と眺めてみて、「これは男性性の強いものだな」「こっちは、女性性を感じるな」というように観察してみると、それだけでなかなか面白く、一生遊べる目線です。

たとえば世界を見渡してみても、男性性と女性性をどのようにバランスさせているかは国家単位でのグループによって個性があります。フランスなどは女性名詞と男性名詞という概念があり、言語レベルで明確に女性性と男性性のイメージを持たせていますね。

最近私が映画の予告を見ながら考えたのは、「ビンタ」って女性性が高い行為だなぁ、とか、昔の男性俳優が何かのインタビューで「掃除機は女の動きで、箒を掃くのは男の動き」と言っていたのを思い出して、当時はよく意味がわからなかったけど今は少しだけその人の言っていたことも理解できるなぁ、とか。

広義の社会的、精神的な性別という意味では、ジェンダーなんていう言葉もありますが、こちらはより現実的な問題に対してよく使われるのに対して、男性性女性性はもうすこし抽象的な話をする時に使われます。

活用の仕方、とらえ方

そしてここからが大切な、アウトプットの話です。

ここまで読んで気が付かれたかもしれませんが、男性性と女性性はあくまでパラメータの一つであり、それ自体に良し悪しはなく、あるのは場面ごとの適性だけです。

つまりこの二つのバランスをいかに取り、ビジネスを行う中でコントロールしていくかを考えていただくことがこの記事での目的です。

マーケットイン(市場からの要求)的な視点でいくと、現在の日本でより求められていくのは女性性優位のものであることが明らかな傾向として存在しているため、ブランドをそちら側に寄せていくということが有効です。

これから先、これまで人気だった男性性を強力に高めたブランドやキャラクターの魅せ方は、少々遅れを取っていくことになります。

こういった感覚・・・世間の関心の流れや時代感、ニーズ、ムーブメント、流行、トレンドといったものをつかむ感覚を日頃、意識的に育てていくことで、ぼんやりと見えるようになっていきます。

そういったファクターが潜む数々の商品、サービス、あるいは一つの客観としての自分の感覚をよーく観察してみることで(言語化してみることは有効な手段の一つです)、その感性は磨かれます。

そしてその感性を持って、マーケティング戦略からキャラクター、コンセプトの設定に、そしてブランディングに活かしていきます。

価値の分類として感情的価値や機能的価値、社会的価値や自己実現的価値のお話をしましたが、普段は感覚で持っている非言語領域のものごとを言語化し、分類することでより深く理解すると同時に、より具体的に手ざわり感をもってコントロールできるようになって貰うというのが、今回のような記事のねらいになっています。

感覚的な内容を多分に含むために、なかなか一瞬では難しいかもしれませんが、磨けば磨くほどに遠くまで見通せて、なおかつ少しの力で多くの効果が見込める、コストパフォーマンスの高いスキルですので、ぜひ毎日少しずつでも良いので、意識的に訓練してみて下さいね。